学園の沿革
エスコラピオス学園と聖ヨセフ・カラサンス
海星中学・高等学校は、世界に広がるエスコラピオス学園の一つです。エスコラピオス学園は、1597年、ホセ・デ・カラサンスによりローマ郊外のサンタ・ドロテア聖堂に子供たちを集めて西欧で最初の無料の学校が開かれたことに始まります。当時の教育は貴族たちによって独占されていました。富裕層を除いて、一般大衆は教育から置き去りにされていました。1597年、ヨセフ・カラサンスがローマの広場に向かって歩いている途中、一団の不良少年のグループに出会いました。衣服はボロボロで罵詈雑言を吐き、仲間同士でけんかをしたり、通行人に迷惑をかけたりしていました。彼らの姿を見た時に、彼の心の中には一つのインスピレーションが与えられました。「貧しい子供たちにとって必要なのは教育である」と彼は直観したのでした。しかし、当時の学校は貴族や富裕層の子弟を対象としていて、有料のものばかりでした。カラサンスは「無料の学校」の設立に向けて準備を始めました。当時の貴族や富裕層からの度重なる妨害にもめげず、彼は学校設立のために尽くしました。彼は自分の学校のことを一切の報酬を取らないということを明らかにするために、「孝愛学校」、ラテン語でSchola Pia と名付けました。この学校の名前がカラサンスの創立した修道会の名前(エスコラピオス修道会、Escolapios)にもなりました。
1558年に生まれたヨセフ・カラサンスは、1648年に亡くなるまでの間、貧しい子供たちの教育に全身全霊を注ぎました。彼の教育活動は、現代社会では当たり前となっている義務教育の先駆けとなりました。この活動に伴う彼の多くの行動が、カトリック教会の信者にとって見習うべき模範となるものとして高く評価され、彼はカトリック教会で最高の栄誉である「聖人」に列せられました。そして、聖ヨセフ・カラサンスは、全世界のカトリック学校の守護聖人とされたのです。現在、エスコラピオス学園は、ヨーロッパ全域、アメリカ、アフリカ、日本など、世界中に広がり、各地で聖ヨセフ・カラサンスの理念のもとに教育活動を行っています。わたしたち海星中学・高等学校も、この聖ヨセフ・カラサンスの理想のもと、現代日本社会の中で活躍することのできる青少年の育成を目指し、日々努力を続けています。
学園沿革
本学園は、1597年にローマにおいて聖ヨセフ・カラサンスによって創立された、世界的なカトリック修道団体であるエスコラピオス会によって設立されました。 同会は本部をローマに持ち、世界各地に250余の学校を経営し専ら男子青少年の教育に専念しています。 その卒業生の中には教皇ピオ9世、ゴヤ、メンデル、モーツァルト、シューベルト、ハイドン、ガウディー等多数の著名人を数えることができます。 日本へは1951年宣教師数名がスペインより渡来し、横浜に同会本部を置き、1955年四日市市に本学園を開設しました。 初代校長として エンリケ・リベロ神父が弱冠30歳の若さで就任し、それから25年間校長を務めました。 現在本学園は海の星カトリック幼稚園とともに、海星中学校、海星高等学校で心の教育にあたっています。
1945年 | 桑名市照源寺に素封家佐藤信之助氏の発意で「桑名英学塾」を創設 |
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1946年 | 経済、文学専門教育を目的として民生学園を設立 |
1947年 | 四日市市六呂見(現所在地)に民生学園を移転、海星学園に改称 |
1950年 | 南山大学附属第2高等学校に改称 |
1951年 | エスコラピオス修道会日本本部が横浜に設立 |
1955年 | 南山大学附属第2高等学校を継承 |
1955年 | 学校法人エスコラピオス学園海星高等学校を開校 |
1956年 | 学校法人エスコラピオス学園海星中学校を開校 |
1972年 | 海星中学・高校6年制一貫教育コースを実施 |
1972年 | 宗教法人エスコラピオス修道会・海の星カトリック幼稚園を設置 |
1994年 | 海星高等学校進学特別コースを開設 |
創立者 聖ヨセフ・カラサンス
スペインのアラゴン地方、ペラルタに生誕。 1748年福者に、1767年聖人に列せられ、1948年教皇ピオ12世によって世界のカトリック学校の保護者として宣言されました。 1597年、カラサンスは、後にエスコラピオス修道会へと発展する学校をローマに設立。 彼は、すべての人々が幸福となり崇高で完全な社会を創り上げるために、全ての階層の人々に教育を与え、それぞれの能力を伸ばす必要性を力説していた。 これは、ルネッサンス期の当時において革命的なことであり、教育・学問が貴族などの上流階級の独占物と信じていた人々から激しい反対を受けた。 彼は、それらの困難をも乗り越え、一般庶民の子弟に人種や宗教などの差別なく教育を施すため、史上初の教育修道会を創立したのである。
※スペイン語の『エスコラピオス Escolapios 』は、ラテン語で『学校』を意味する『schola』と『無償・慈悲』を意味する『pia』に由来する。
世界に広がる聖ヨセフ・カラサンスの教育
ヨセフの死後100年を経た1748年に教皇ベネディクト14世は、彼を福者の位に上げ、そして1767年に教皇クレメンス13世が彼を聖人の位に上げました。 1948年に教皇ピオ12世は聖ヨセフ・カラサンスを世界のカトリック学校の保護者として宣言しました。エスコラピオスと名づけられた修道会は ヨーロッパ(イタリア、フランス、チェコ、オーストリア、スペイン、ハンガリー、ポーランド等)アメリカ、アジア(日本、インド、フィリピン)、アフリカの各地に拡がり、 現在33カ国に234の学校と教会をもつに至っています。
校章・姉妹校について
海星中・高等学校は、世界中に姉妹校や設立母体であるエスコラピオス修道会の修道院があります。エスコラピオス修道会の理念は世界共通で、青少年の人間的・キリスト教的な教育を通して、社会に貢献していく人材を育成しています。
世界に広がるKAISEI
校章について
校章は、世を照らす神なるキリストの御母聖母マリアを学校創設修道会の守護者として仰ぐことに由来します。 王冠は、キリストの母でありエスコラピオス会の守護者と仰がれる聖母マリアの戴く“女王の冠”を表し、外縁の陽光は太陽を意味し“世の光”と呼ばれるキリストを表します。それ故、この校章の中には航海者が夜空の星を航路の指標としたように、聖母の導きと保護により人生の旅を安全に航海できるようにという願いがこめられています。 我々の校章は修道会創設の頃(1592年)に定められ、今日世界250余の兄弟校共通の校章として用いられています。
- •王冠
- 聖母マリアの戴く「女王の冠」
- •M&A
- MARIA の略
- •MP
- MHTHP (Greek) = Mater(Latin) = Mother(English) = 母(日本語)
- •ΘY
- ΘEOY(Greek) = Dei(Latin) = God’s(English) = 神の(日本語)
- •外縁の陽光
- 太陽を意味しており”世の光”と呼ばれるキリストは太陽の如く世を照らす光